麻雀を教えていて、いちばん多くいただくのが「何から覚えればいいんですか」という質問です。本を開けば役や点数がずらりと並んでいて、それだけで気持ちがくじけてしまう。そういう方を、私は何度も見てきました。ですから今日は、思い切って3つに絞ってお話しします。この3つさえ頭に入っていれば、卓に着けます。点数も役も、あとからで大丈夫です。
覚えることは、まず3つだけで大丈夫です
はじめに、この記事でお伝えすることを申し上げておきます。
ひとつめ、麻雀は4人で卓を囲むゲームだということ。ふたつめ、自分の番にすることは1枚引いて1枚捨てるだけだということ。みっつめ、目指すあがりの形が決まっているということ。
これだけです。役の名前も、点数の数え方も、今日は一切お話ししません。
なぜかというと、最初にそれをやると、たいていの方が苦しくなってしまうからです。麻雀の本や解説を開くと、牌の説明のあとすぐに役の一覧が出てきて、そのあと点数計算が続きます。どれも必要な知識ではあるのですが、初めての方が一度に受け止めるには量が多すぎます。
順番を変えるだけで、麻雀はずいぶんやさしくなります。まずは全体の景色を見て、それから細かいところへ。今日はその「景色」の部分をご覧いただきます。
その1|4人で卓を囲みます

麻雀は、正方形の卓を4人で囲んで遊びます。中央には牌の山が積まれていて、そこから1枚ずつ引きながら進めていきます。
席についたら、まず周りの3人の呼び方を覚えておくと便利です。自分から見て右隣の方を下家(しもちゃ)、正面の方を対面(といめん)、左隣の方を上家(かみちゃ)と呼びます。
聞き慣れない言葉ですが、これは覚えておいて損がありません。教室でも「上家さんが捨てた牌ですね」といった言い方をよくしますので、知っていると話がすっと入ってきます。
順番は、右隣へ回っていきます
手番は、自分から見て右隣の方、つまり下家のほうへ回っていきます。ぐるりと一周して、また自分の番が来る。トランプの七並べや大富豪と同じで、順番に回っていくだけのことです。
上から見ると反時計回りに動いていることになるのですが、卓についているときは「右隣の方へ渡していく」と覚えておくほうが間違いがありません。実際に座っていると、上から見た向きはあまり意識しないものですから。
そして、それぞれの手元には13枚の牌があります。この13枚をどう育てていくか。それが麻雀の中身です。
その2|自分の番にすることは、2つだけ

順番が回ってきたら、することは2つです。
まず、山から牌を1枚引きます。これで手元が14枚になります。
次に、その14枚の中から要らない牌を1枚選んで、卓の真ん中に捨てます。これで13枚に戻ります。これで自分の番はおしまいで、次の方へ順番が移ります。
引いて、捨てる。本当にこれだけです。
これを4人でぐるぐる繰り返しながら、少しずつ手元の牌を整えていく。麻雀の動きそのものは、驚くほど単純なのです。難しく見えるのは、この上に乗っている役や点数の話が最初に押し寄せてくるせいだと、私は思っています。
迷うのは「どれを捨てるか」です
とはいえ、初めての方が最初に立ち止まるのが、まさにこの捨てる1枚を選ぶ場面です。何を残して何を捨てればいいのか、まったく見当がつかない。これは本当によくあることですので、どうぞご心配なく。
考え方はごく単純で、完成に近い形から遠い牌を捨てていきます。使い道のなさそうな牌から手放していけば、大きく外れることはありません。
とはいえ、その「完成に近いかどうか」がまだ見えないというのが、最初のうちの正直なところだと思います。教室では、迷われたときに横からお声がけしますし、最初は手を見せていただきながら一緒に考えます。ひとりで悩まなくて大丈夫です。
その3|目指すのは「3枚組が4つと、同じ牌2枚」

では、何のために引いたり捨てたりしているのか。ここが今日いちばん大事なところです。
麻雀のあがりの形は決まっています。3枚ひと組のセットを4つ作り、そこに同じ牌2枚を加える。合わせて14枚。この形が完成すれば「あがり」です。
文字で読むと難しそうに見えますが、図でご覧いただくと一目でわかると思います。3枚、3枚、3枚、3枚、そして2枚。それだけの並びです。
3枚組には、2つの作り方があります
3枚ひと組と申しましたが、これには2種類あります。
ひとつは、同じ種類で数字が連続した3枚。三、四、五と並んだような形です。これを順子(じゅんつ)と呼びます。
もうひとつは、まったく同じ牌を3枚集めた形。これを刻子(こーつ)と呼びます。
どちらでも構いませんし、混ざっていても構いません。4つのうち3つが順子で1つが刻子、といった形も、もちろんあがりになります。
順子と刻子という言葉は、今すぐ覚えなくても大丈夫です。「数字が続いた3枚」「同じ牌が3枚」とだけ覚えておいて、言葉のほうはそのうち自然と耳から入ってきます。
最後に添える2枚を、雀頭と呼びます
4つのセットに加える、同じ牌2枚。これを雀頭(じゃんとう)、あるいは単に「頭」と呼びます。
ちょうど、4つの組の上に頭がひとつ乗っているような形を思い描いていただくと、覚えやすいかと思います。この頭がないとあがれませんので、忘れないでください。
あと1枚を待っている状態
手元の13枚が「あと1枚でこの形が完成する」ところまで来たら、その1枚を待っている状態です。
その最後の1枚は、自分で山から引き当てても構いませんし、他の方が捨てた牌をもらっても構いません。どちらでもあがりになります。
自分で引いた場合と、人が捨てた牌でとでは呼び方が変わるのですが、今日はそこまでで十分です。「あと1枚が来ればあがり」という状態がある、とだけ知っておいてください。
手元の牌が「かたまり」で見えてくる瞬間
この3つを覚えて実際に打ってみると、あるとき手元の見え方が変わります。
最初のうちは、13枚がただの牌の羅列にしか見えません。ところが、あがりの形が頭に入ってくると、「ここは3枚できている」「ここはあと1枚欲しい」というふうに、かたまりで見えるようになります。
こうなると、捨てる牌を選ぶのもぐっと楽になります。かたまりに入っていない牌から手放していけばよいわけですから。
私が教室でいちばん嬉しいのは、皆様のこの切り替わる瞬間に立ち会えることです。表情が変わるので、見ていてわかります。早く来る方もいれば、もう少し時間がかかる方もいらっしゃいますが、続けていれば必ず訪れます。
点数と役は、あとからで大丈夫です
今日、あえて触れなかったことについても少しお話ししておきます。
麻雀には「役」というものがあって、実は形が揃っただけではあがれません。決められた型のどれかにあてはまっている必要があります。それから、あがったときの点数を計算する方法もあります。
どちらも大事なことです。ただ、今日の段階で覚える必要はまったくありません。
役については、実際によく出るものは限られていますので、打ちながら少しずつ増やしていけば十分です。点数計算にいたっては、できなくても麻雀は打てます。教室では早見表を使いますし、周りの方が見て教えてくださることもよくあります。
ここを最初に持ってきてしまって、麻雀そのものが嫌になってしまう。私はこれを何度も見てきました。ですから、順番を守ることをお願いしているのです。
覚える順番についてもう少し詳しく知りたい方は、初心者がつまずきやすいポイントをまとめた記事もあわせてご覧ください。どこで立ち止まりやすいのかを、順を追ってご説明しています。
まずは「引いて、捨てて、形を作る」リズムに慣れること
今日お話ししたことをもう一度まとめます。
4人で卓を囲み、右隣の方へ順番が回っていく。自分の番が来たら1枚引いて1枚捨てる。目指すのは、3枚組が4つと同じ牌2枚。
この3つを頭の隅に置いて、あとは実際に牌を触っていただくのがいちばんです。文章で読んで理解するより、手を動かしたほうが何倍も早く身につきます。麻雀にはそういうところがあって、頭より先に手が覚えていくのです。
覚える速さには個人差がありますから、周りと比べる必要もありません。ゆっくりで大丈夫です。
おわりに
麻雀は、勝つためだけのものではありません。習い、少しずつできることが増え、仲間と笑える時間も麻雀の魅力だと私は思っています。
今日の3つを頭に入れて、あとは牌を触ってみてください。見学や体験のご相談を承っておりますので、お気軽にお声がけいただければと思います。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
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