指先を使う趣味がシニアに良いと言われる理由|手積み麻雀のすすめ

最終更新:2026年8月16日 執筆:前川(東林間ぞうさん健康麻雀教室 代表講師)

「指先を使うことは、脳にいいらしい」

どこかで聞いたことがある方、多いと思います。だから編み物、だから楽器、だからそろばん——シニア向けの趣味の話には、必ずこの「指先」が出てきます。

実は麻雀、指先をとことん使う遊びです。それも、ただ細かい作業をするのではなく、5本の指を全部、それぞれ違う役割で使います。

今日は、なぜ指先を使う趣味がシニアに良いと言われるのか。そして、麻雀の中でも特に手積みをおすすめする理由を、教室で毎日それを教えている立場からお話しします。

結論:麻雀は「5本の指を全部使う」数少ない遊びです

指先を使う趣味がシニアに良いと言われるのは、細かな手先の運動が脳への刺激になり、認知機能との関連が知られているためです。 そして手積みの麻雀は、混ぜる・積む・つまむ・並べる・めくると、5本の指すべてを場面ごとに使い分ける、その条件をまるごと満たした遊びです。

麻雀牌を積む瞬間

先にお断りしておきます。私は「麻雀でボケ防止できます」「認知症を予防します」とは申しません。そう断定できるだけの証拠は、まだ揃っていないからです。研究で何がわかっているかは、健康麻雀と脳についてまとめた記事で正直にお話ししています。

そのうえで今日は、理屈より先に、手の話をさせてください。教室の卓の上で毎日起きていることです。

牌を「3つ同時に」持てますか

いきなりですが、質問です。

麻雀牌を1つ、卓から手元に持ってくる。これは簡単です。誰でもできます。

2つ同時。これも、まあ簡単です。親指と他の指ではさめば持てます。

では——3つ同時に持ってこられますか?

やってみるとわかるのですが、牌を3つ、崩さずいっぺんに運ぼうとすると、5本の指を総動員しないとできないんです。親指と小指で両端を支えて、残りの指で真ん中を押さえる。指それぞれが、別の仕事をする。

この「5本の指がバラバラの役割を同時にこなす」動きこそ、特に脳に良いと言われているものです。日常生活を思い返してください。箸を持つ、ボタンをかける。指は使っていても、5本が別々の仕事を同時にする場面は、案外少ないんです。

麻雀では、これが配牌のたびにやってきます。山から4枚ずつ牌を取る場面。慣れた方は、あれを一動作でやります。初めての方は1枚ずつ。その差が縮まっていく過程が、そのまま指のトレーニングになっているわけです。

当教室のレッスンでは、この牌の持ち方からお教えしています。ルールの前に、まず手。5本の指を全部使った麻雀のやり方を、一つずつです。

手積み麻雀は、指の仕事のオンパレードです

ドラをめくるシーン

「積み方から教えます」と、当教室では何度もお伝えしてきました。今日はその中身を、指の仕事という目で見直してみます。

混ぜる|手のひら全体のウォーミングアップ

まず、牌を裏返してジャラジャラと混ぜる。あの洗牌(シーパイ)です。

両手のひら全体で牌を転がすこの動作、実はけっこうな運動です。136枚の牌を万遍なく動かすには、手首から指先までを大きく使います。卓に着いて最初のこの時間は、いわば手の準備体操なんですね。

積む|「崩さない力加減」を覚える

次に、二段に積んで山を作ります。17列、上下二段。

初めての方は、まずここで苦労されます。二段目を乗せるときに一段目が崩れる。列がガタガタになる。力が強すぎても弱すぎてもうまくいかない。

でも、これがいいんです。崩さない力加減は、頭で考えて出せるものではなく、指が覚えるものだからです。通ううちに、皆様の手さばきは目に見えて速くなります。崩さずに、すっと積めるようになる。その変化を隣で見ているのが、私の毎回の楽しみでもあります。

つまむ・並べる|理牌は指のパズルです

配られた13枚を、見やすく並べ替える。理牌(リーパイ)という作業です。

1枚をつまんで、抜いて、差し込む。これを何度も繰り返します。字で書くと地味ですが、狭い間隔に牌を差し込む動きは、指先の正確さそのものです。

めくる・ずらす|細かい所作にも指の仕事があります

麻雀には、こんな場面もあります。

ドラをめくる。 山の決まった位置の牌を、1枚だけくるりと表に返します。周りの牌を崩さずに1枚だけ返す——これも指先の仕事です。

嶺上牌(リンシャンパイ)を、一段ずらしておく。 聞き慣れない言葉だと思いますので、少しだけご説明を。麻雀には、山の端に取り分けてある特別な牌があり、ある条件のときにそこから1枚ツモることがあります。この牌であがると「嶺上開花(リンシャンカイホウ)」という、ちょっと格好いい名前の役になります。

その特別な牌は、山の二段目に乗ったままだと、ふとした拍子にこぼれ落ちてしまう。だから、あらかじめ一段下にずらして置いておくんです。こういう小さな所作にも、指の細かい仕事が隠れています。当教室では、こうした所作まで含めてお教えしています。

数えてみると、麻雀は最初から最後まで、指の出番だらけです。そしてこれを、遊びながら、笑いながら、2時間やっている。「指の体操」を、体操と思わずにやれてしまう。ここが手積み麻雀のいちばんの値打ちだと、私は思っています。

生徒さんたちの手が、変わっていきます

理屈はこのくらいにして、教室の実際の話を。

手積みについて、生徒さんからよくいただくのがこんな声です。

「最初は慣れない動作だったけど、慣れたらおもしろい」

そうなんです。牌を混ぜて積むという作業は、日常にはない動きです。だから最初はぎこちない。でも、だからこそ、できるようになったときの手応えがはっきりあるんですね。手積みそのものを楽しみにして通ってくださる方もいらっしゃって、これは教える側として、とても嬉しいことです。

そして、皆様の手は確実に変わっていきます。最初は1枚ずつ恐る恐るだった方が、いつの間にか牌を3つまとめて運んでいる。積むのが速くなって、崩れなくなっている。ご本人は案外気づいていないのですが、隣で見ている私にはよくわかります。

手は、年齢に関係なく、ちゃんと覚えてくれる。 教室をやっていて、毎日それを見せてもらっています。

手が覚えたものは、忘れません

私自身の話も、少しだけ。

私は長年麻雀を打ってきましたが、牌の扱いは、もう考えてやっていません。混ぜるのも、積むのも、理牌も、手が勝手に動きます。

自転車と同じなんです。何年乗っていなくても、またがれば乗れる。あの感覚です。頭で覚えたルールは忘れても、手が覚えた動きは残る。

だからこそ、シニアの皆様にお伝えしたいんです。今から手に覚えさせたことは、この先ずっと、あなたの財産になります。始めるのに遅いということはありません。

自動卓もあります。でも、順番があります

正直にお話ししておくと、当教室には全自動卓もあります。ボタンひとつで混ぜて積んでくれる、便利な卓です。

ではいつ使うのか。ルールを完璧に覚えて、本番のプレイを楽しむときです。プチ店内大会などでは、自動卓で対局に集中していただきます。

つまり、当教室ではこう考えています。

習う段階は、手積みで。 指を使い、牌に慣れ、所作を身につける。 楽しむ段階は、自動卓で。 覚えたことを、対局そのものに注ぎ込む。

手積みは修行ではなく、それ自体が指の楽しみです。そして自動卓は、ごほうびの舞台。両方あるから、両方の良さを味わっていただけます。

東林間ぞうさん健康麻雀教室について

当教室は、東林間駅から徒歩1分、初心者専門の健康麻雀カルチャースクールです。賭けない・飲まない・吸わない麻雀を、牌の持ち方・積み方から一つずつお教えしています。

麻雀牌は、なるべく大きいものを選んで揃えています。見えやすいだけでなく、指でつかみやすい。初めての手にやさしい牌です。

覚える速さには個人差があります。手が慣れる速さも、人それぞれです。急がず、比べず、ご自分のペースで。

ぞうさんは、ゆっくりでも大丈夫。

見学は無料、体験レッスンは500円です。まずは牌に触りに来てください。当日の流れは体験・見学の流れをまとめた記事でご紹介しています。

よくある質問

Q. 指先を使う趣味は、なぜシニアに良いと言われるのですか?

細かな手先の運動が脳への刺激になり、高齢の方では認知機能との関連が知られているためです。ただし「認知症を予防できる」と断定できる証拠はまだ十分ではなく、当教室でもそのような言い方はしていません。

Q. 麻雀はボケ防止になりますか?

「ボケ防止になります」とはお答えしていません。麻雀が指先と頭を同時に使う遊びであることは確かですが、医療的な効果を約束するものではないからです。楽しく続けられる指先の習慣、としてお考えください。

Q. 手先が不器用でも、手積みはできますか?

できます。最初は皆様、牌を崩したり落としたりします。それが普通です。崩さない力加減は頭ではなく手が覚えるものですので、回数とともに必ず慣れていきます。

Q. 握力が弱くても牌は扱えますか?

麻雀牌は重い道具ではありませんし、当教室では大きめの牌を使っているため、つかみやすくなっています。ゆっくりで構いませんので、ご自分のペースで扱ってください。

Q. 自動卓ではなく手積みで習う意味はありますか?

あります。手積みは指をたっぷり使ううえ、ご自宅で家族と打てるようになります。当教室では、習う段階は手積み、覚えてからの本番やプチ大会は自動卓、と使い分けています。

まとめ

要点を3つに整理します。

1. 麻雀は、5本の指を全部使う遊びです 牌を3つ同時に運ぶには、指の総動員が要ります。混ぜる・積む・つまむ・めくる。指の仕事のオンパレードです。

2. 手は、年齢に関係なく覚えてくれます 最初はぎこちなくても、手さばきは必ず速くなります。そして手が覚えたものは、自転車と同じで忘れません。

3. 「指の体操」を、体操と思わずにできます 笑って、話して、気がつけば2時間、指を使い続けている。続けられることが、いちばんの価値です。

麻雀は、勝つためだけのものではありません。習い、少しずつできることが増え、仲間と笑える時間も麻雀の魅力です。

まずはあなたの指に、牌の手触りを教えてあげてください。お待ちしています🐘

MaekawaMasayuki

この記事を書いた人

MaekawaMasayuki

「ぞうさん」は、ゆっくりでも大丈夫。

一歩ずつ学び、一緒に笑い合える、温かな居場所でありたいと思っています。

この「ぞうさん自習室」では、健康麻雀の基礎知識や教室の日常、役立つ情報などを発信しています。

皆さまと教室でお会いできる日を、心より楽しみにしております。